鍼灸・整体・整骨院向け 電子カルテ「リピクル」

鍼灸・整体・整骨院事業者 の声から生まれたリピクルが、
施術管理・顧客データ管理・集客施策管理など事業者様が悩める
日々の経営の課題をオールインワンで解決いたします。

鍼灸整骨院

2021.12.28

整骨院・接骨院で問題となっている不正請求と国の対応策について

整骨院や接骨院で、不正に多く療養費が請求されている件が問題になっています。施術した回数を改ざんしたり、施術部位の偽装をすることで金額の水増しを行い、不正請求を行っているというものです。その事例や発生する原因について解説します。

不正請求はどうやって発生するのか、その内容と仕組み

では、そもそもどういったものを不正請求と呼ぶのでしょうか。
柔道整復師(整骨院・接骨院)の施術を受ける場合、一般病院での診療と同じく、患者は健康保険の自己負担分を支払うだけでよいとされています。
この特例制度は「受領委任払い制度」といい、患者が負担する以外の費用(施術費の7割)を、健康保険組合や全国健康保険協会などの保険者に対し請求します。
保険者への請求は金額も大きくなりますので、不正請求のメインとなるのは主に保険者を対象に行われます。

不正請求の内容のひとつが施術箇所の偽装です。患者の痛みが肩にあり、肩への施術を希望している場合でも、腰や腕などを同時に施術することで施術費を多く請求することができます。また実際に他の部位を施術するのではなく、書面の上でだけ施術したことにして架空の請求をすることも行われています。
そしてもうひとつ、代表的な方法に「部位転がし」と呼ばれているものがあります。これは安定的な収入を得るため、ひとりの患者に長く通院してもらう手段として行われます。ある程度の施術を行ったあと、症状が緩和されると患者の来院は少なくなります。そのため別の個所を痛めたことにして、通院理由を引き延ばす書類を作成します。
中には患者に直接「もう少し通えば良くなるので、通院を続けて欲しい。そのため別の箇所を痛めたことにしておく」という施術者もいるようです。
どちらも本来の施術費と比べ、高額の費用を請求する行為で、不正請求となります。

なぜ無くならない整骨院・接骨院の不正請求

一般病院と同じく、健康保険を利用した施術が可能な整骨院・接骨院ですが、施術のうち保険適用となる範囲が細かく定められいます。
つまり、定められた範囲以外の施術では保険が適用されないのです。

保険証で適応できる症状は以下のものに限られます。

  • 急性などの打撲、捻挫、挫傷(肉離れなど)
  • 骨折・不全骨折・脱臼 ※医師の同意が必要(応急処置は除外)

肩こりや筋肉疲労、腰痛などは保険適用外になります。
また、外科や整形外科と同一部位で診療を受けている場合は、保険は一か所のみの適用となるため病院が優先され、整骨院・接骨院には適用されません。

多くの通院者をつなぎとめるためには、保険適用で患者の負担を軽減したほうが効果的であり売り上げもあがることから、あたかも急性の症状であるかのような改ざん、症状自体の改ざんなどが行われる要因となっています。

また背景には整骨院・接骨院の経営が年々厳しくなっていることもあげられます。
療養費の推移を厚生労働省のデータで見てみると、柔道整復療養費は2010年には4,068億円だったものが、2018年には3,278億円にまで減少しています。(※1)
療養費が減少している一方で、柔道整復師の数は増加しています。2010年には50,428人だったのが、2018年には73,017人まで数を伸ばしています。(※2)

療養費が約19パーセントも減少したのに、柔道整復師は約45パーセントも増加しているため、整骨院・接骨院が利益を出すのが難しくなっていることも背景にあると考えられます。

不正請求はかならず発覚する


不正請求は絶対にやってはいけない行為です。
そして不正請求はかならず発覚します。
実際の施術を改ざんし、請求する行為の多くは患者に知らせることなく行われます。しかし時に患者が請求の不自然な部分に気づき、内容について問い合わせをすることで発覚するというケースがあります。
患者自身は保険者がデータを間違えいるのかと思い、保険者へ直接問い合わせをするため発覚します。
また、保険者側から精査の一環として患者に確認する場合があり、事実と異なる改ざんがされていたことが発覚することもあります。
不正請求に気づいた整骨院・接骨院の内部者からの告発もあり、同業の他院や元従業員が告発する例もあります。

このような不正請求が行われないように、国もいくつかの対策を講じています。
ひとつの打撲、捻挫に対する施術が3カ月以上続く場合には、支給申請書に「長期施術継続利用書」の添付が義務付けられています。また5カ月を超えた場合は施術費を80パーセントまで減額することになっています。
部位を変えて行われる「部位転がし」に対しては、2013年に3部位以降の給付率を60パーセントに下げ、4部位以降は給付を包括としました。このため「部位転がし」をしても利益を見込めないようになりました。

また相次ぐ不正請求事例を受け、2018年からは柔道整復師認定者に2日間の研修を義務化しています。この研修では正しい療養費の請求方法や職業倫理を学ぶことになっています
経営上厳しい面があるにしても、近年は不正請求を業界全体の問題としてとらえる動きもでてきています。
保険適応外の患者に対しては、不正請求でカバーするのではなく、自費診療で施術を受けてもらうようにしっかりと説明することが必要です。納得してもらうことで信頼関係を結び、患者とのより良い関係を築いていけるようにしましょう。

(※1)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/111116_01.pdf
(※2)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/kekka3.pdf